AMCJ #022イベント概要
生成による音楽の構築。
2022年1月のテーマはアーカイブチケットが再販売中の生成音楽シリーズ第二弾「生成音楽2〜ポストミニマリズム」。音楽の世界ではスティーブ・ライヒやテリー・ライリーが開拓し、アルヴォ・ペルト、ジョン・アダムズ、フィリップ・グラスらが展開し続けているミニマリズムの現代的な拡張について焦点をあてて、彼らが行ってきた作曲のプロセスをコンピューターアルゴリズムに落とし込み、多少のパラメータ変更によって全く別の作品を生成たり、オリジナルでミニマルな作曲技法自体を発明してしまう挑戦へのサポートをアルゴリズム作曲を専門とし東京藝術大学にて修士(芸術)の学位を持つ松本昭彦が専門的な視点から行います。
前回のイベントアーカイブをご覧になっていない方にとって、生成という言葉はどこか音楽とかけ離れていて、あまり馴染みがない概念だと思います。作曲という作為的な行為と比較すると、一部をコンピューター計算に投げてしまう生成は、どこか作曲と異なる概念と捉えられがちではありますが、アルゴリズミックに物事を考えることは作曲のみならず創作の根幹であったりします。
AMCJ第22回の1/29(土)は、音楽を生み出す生成の中でもミニマリズムに焦点をあててAbleton M4L, Cycling ’74 Maxを用いてポストミニマルな音楽を自動生成してしまうことテーマにします。初心者にもわかるように概念や技術の解説を行うため、本イベントにはプログラミングの前提知識は不要です。ゴールは道具を作ることではなくみなさま自身の作品を作ることです。
最小限の素材とアルゴリズムをコンピューター上で展開
自動生成と言われると何かコンピュータープログラムがクリエイターの意思とは無関係に一人でに音楽を生み出してしまうようなイメージをするかもしれませんが、アルゴリズム、すなわち作曲技法を考えるのは人間です。今回はミニマリズムに焦点をあてて、最小限のフレーズ素材をアルゴリズミックに展開し、音楽を構築してしまう方法を解説いたします。
音楽を生成するプログラムを開発するというメタな視点で創作行為を捉えると、作曲とは何か、音楽とは何かといった本質への疑問に突き当たってくると思います。人はなぜ新しい音楽を作らなければならないのか、現代において何をもって作曲が創造的な行為だといえるのか疑問に思った方のために、2021年1月に開催された#011「生成音楽」を期間限定再配信いたします。AMCJ #022は、#011の内容の続編となりますので、前回の配信時に見逃した方や、今回初めて生成音楽に興味を持った方も、ぜひこの機会に限定配信視聴券をお買い求めください。
<Ableton and Max Community Japan #022
「生成音楽2〜ポストミニマリズム」>
日時:2022年1月29日(土) 13:00- 3時間程度を予定
ストリーミング視聴券:2,200円 (一般) / 1,100円 (学割)
御茶ノ水RITTOR BASE指定席券:2,750円 (一般/学生共通 *アーカイブ映像もご覧いただけます)
アーカイブ:当日から一週間、2月5日(土) 23:00まで全編視聴可能
出演:松本昭彦
特典:Ableton M4Lデバイス「ISO」参加者限定無償配布 https://akihiko-matsumoto.gumroad.com/l/CpHqia
お問い合わせ:https://twitter.com/AMCJ_Official/
- 出演者 -
松本昭彦
生成的プログラミング技術を駆使し徹底的にシステマティックに作曲されたピアノ曲集である1stCDアルバム 『Preludes for Piano Book1』を2016年にリリース。広告、インスタレーション、音源リリースなど場を問わず創作においては常にアルゴリズミックなアプローチを大々的に応用している。アーティスト活動だけでなく、プログラマーとして様々な大手企業の研究所での開発仕事に携わるほか、アートとテクノロジーについてのワークショッププロジェクトであるRESONANCEやモジュラーシンセのライブイベントSOURCE CORDをオーガナイズし、雑誌PROSOUNDにてテクノロジーエンターテイメント、メディアアートに関するインタビュー連載を行うなど、音や芸術に関する教育活動、コミュニティ活動、情報発信も積極的に行なっている。
https://akihikomatsumoto.com/
AMCJ
Max/MSPとMax for Liveの開発者、学習者向けイベント、slackコミュニティをオーガナイズするグループ。運営メンバーはKentaro Suzuki (https://twitter.com/szk_1992)、Akiyuki Okayasu (https://twitter.com/akiyukiokayasu)、Akihiko Matsumoto (https://twitter.com/Akihik0MA)。情報交換のための無料日本語ユーザーコミュニティーSlackの登録はこちらから。